A沢女史。

ある日の事。
同僚の老眼鏡を借りてかけてゐたら、うちの女の子に褒められた。

「課長つて眼鏡似合ひますねえ。」

嬉しいなあと思つてゐたらA沢係長に、

「あら、ほんと。顔にポイントが出来ていいんぢやない?」

と言はれた。


またある日は、
「才色兼備つて、A沢みたいな女性を言ふんだよなあ。」

つて言つたら、

「ひねりの無い顔してひねりの無い事を言ひなさんな。」

と言はれた。


そのまたある日には、
「課長と係長つて同期なんですよね?もしかして付き合つてるとか?」

とうちの女の子に言はれたA沢女史。
俺の顔をちらつと見て溜め息を吐いた。


結論。
無言が一番堪へる。


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