帆を張るやうに胸を張れ

世代交代。何度も言はれてきたけれど、それが真実になつた。
この処、調子の出ないナダルはもとより、絶好調のフェデラさへ従へたジョコヴィッチ。

天辺に立てば、後は叩き落とされるだけ。
至高と思つてゐた選手が衰へてゆく事を寂しいと思ひながらも、新しい王を感嘆の眼差しで見てゐます。
しかし、我等が王子が立つ日も、さう遠くないでせう。

今期の錦織選手の活躍ぶりは、素晴らしかつた。
世界ランキング１０位辺りをウロウロしていたのが、一気に５位。“世界の８人”に入つた。
アルマーニのスーツを着て他の選手と並んでも、全く見劣りしない。

俺の“贔屓目”も有るけどさ。

ナダルが盲腸の手術で棄権して残念だつたりもするしさ。

でも、錦織選手がこれからも躍進を続けるのは確実で、とにかく嬉しい。
彼のプレイが来期もたくさん観られますやうに。

俺にとつて、年間でも大きい方の試合でした。今年は本戦からの参加です。
２年前は予選落ちしてた試合です。それが本戦組になれました。

頑張つたよなあ、俺。

今日の対戦相手はピッチピチの大学生だつたんだけど、走らせて走らせて、苛々させて隙を突く、と云ふ戦法で勝ちました。
若者対オッサンでは、瞬発力も体力も、とても敵ひませんからね。
案の定、直ぐに余裕を無くして自滅してくれました。ハッハッハッ、若いのう。

今年は４位でした。来年は３位には入りたいなあ。

まだまだ頑張るぞ！

錦織選手は強かつた。
今回の全米オープンでは、惜しくも準優勝だつたけれど、デカくて力も強い欧米人の選手の中で、よく頑張つたと思ふ。

この数年で身長も伸び、体力や筋力もついたけれど、一番伸びたのは精神力ではないだらうか。
試合後の彼のコメントが、「悔しい。」ではなく、「申し訳ない。」だつたのが、自信の表れのやうで嬉かつた。

それにしても、日本の圭くんフィーバーは凄いね。
日本の誇りつて言つたつて、確かに圭くんは日本人だけど、日本にゐたのは１３歳までだろ。圭くんを育てたのはアメリカだと思ふんだけど。

翼が初めて試合を見に来ました。
翼も来たいつて言つてたし、何度か機会も有つたんだけど、テニス仲間に何て紹介したらよいのかと考へちやつてさ。

テニス仲間でもなく、会社の同僚でもなく、学校の後輩でもない、年下の男。
もちろん、恋人だなんて、口が避けても言へないし。

翼が異性なら、冷やかされたり嫌味を言はれたりはするだらうけど、それなりに受け入れて貰へるだらう。
でも…

同年代のゲイの方に相談したら、

「俺は甥つ子つて紹介しちやふけど。」

と教へてくれました。
さすが遊び人。スマートです。

ノリさん。

悶々としたまま当日を迎へてしまつた訳なんだけど、結局、誰にも言ひませんでした。
と言ふか、誰にも聞かれませんでした。

はあ。

俺も凄くドキドキしたんだけど、翼もドキドキしたんだつてさ。

俺があんまり格好良くつて！

もう一回言はうか？
え？要らない？

あ、試合は本戦２回戦敗退でした。