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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog

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平成30年広島原爆忌に寄せて。

街へ野へ人を焼く火の広ごるをその人見しやコックピットで

その時、パイロットは何を見てゐたのだらうか。
人としての総てを焼き尽くし、奪ひ尽くした焔は、彼の目には映ってゐたのだらうか。

エノラ・ゲイの副操縦士であった、故ロバート・ルイス氏の手に依る彫刻は、きのこ雲から一粒、何かが滴る形を表したものださうです。

彼の流した涙なのか、或いは、心の流した血の一粒なのか。



  1. 日常
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謹んで新春のお慶びを申し上げます。

【歳旦三つ物】

歳旦や百一匹のダルメシアン

一つ増えたる年玉袋

春の星ふたり暮らしの日日並べて


明けましておめでたうございます
今年も宜しくお願い申し上げます

結論から申し上げます。
姪つ子に翼を会はせました。
いつまでも俺が独り身でゐる事を、それこそ実の子のやうに心配してくれる姪つ子。
俺が心から愛する姪つ子に、同じやうに愛する翼を紹介したいと云ふ気持ちは、ずつと以前から有りました。

朋也にカミングアウトした時は、既に朋也と翼が知り合ひであつた事や、朋也に同性愛者の友達がゐた事に助けられましたけれど、今回はさう云ふ訳にはゆきません。
それでも、俺は会はせたかつたのです。
翼も色々と心配してゐましたけれど、俺の肉親に会つてみたい、恋人として認められたいと言つてくれました。

息子を婿くんに預け、実家近くの小さなカフェへ、姪つ子は約束通り、一人で来てくれました。
二人が対面した時、俺は情けないことに、直ぐに翼を紹介できませんでした。翼のことを何と言へば良いのか、判らなくなつてしまつたのです。
翼には本当に申し訳ないことをしたと思ひます。
少しの間、沈黙が続きました。気持ちばかりが焦つてしまつて、店内が禁煙なのも忘れて煙草を出さうとしてしまひ、姪つ子と翼から、同時に止められてしまふと云ふヘマをしてしまひました。

姪つ子が笑ひました。
翼も笑ひました。
姪つ子は鞄から小さなノートとペンを出して、何事かを書くと、翼に示しました。耳の聴こえない人だと云ふ事は伝へてありましたから、用意してきてくれたのでせう。

「初めまして。私はjabequeの姪の葉子です。」

ノートには、さう書いてありました。

翼はテーブル越しに姪つ子からペンとノートを受け取ると、その下にかう書きました。

「はじめまして。僕は〇〇翼といいます。平塚の出身で、実家には両親が二人で暮らして居ます。」

姪つ子は少し考へてから、翼の歳や、仕事はしてゐるのか等を質問しました。それから、自分の歳、結婚して子供が一人ある事、今は婿くんの仕事の都合で宮城に住んでゐる事等を話しました。
それから。

「私、おーちやん(姪つ子は俺をさう呼びます。)がずつと独りでゐるのは心配なの。良くないと思ふのね。」

「だから、もしも翼さんが一緒にゐて下さるなら、それは私としては安心。」

「翼さんがおーちやんの友達でも。恋人でも。」

ノートを読んだ翼が、目を見開いて俺を見ました。けれど、まごつくばかりで何も言へない俺に呆れたのか、ノートのページを捲つて、かう書きました。

「恋人でも?さうすると葉子さんの叔父さんはゲイということになりますよ。それでも大丈夫?」

うん、と姪つ子は頷きました。

「正直、困つたなつて、思つたよ。」

言葉に出して言つてから、同じ事をノートに書いて、更に、かう続けました。

「でも、私はおーちやんが大好きで、とても大切なの。絶対に幸せになつて欲しいの。だから、翼さんにおーちやんをお願ひしてもいいですか?」

「今日はその話をしに来たんでせう?」

翼はじいつとノートを見てゐます。
俺はそんな翼を何も言へずに見てゐました。
すると姪つ子が、テーブルの上に置いてゐた俺の手を、思ひ切り叩きました。

「おーちやん、しつかりしてよ!なんか今日のおーちやん、凄く格好悪いよ!」

そこまで言はれて、やつと俺は一言喋る事ができました。

「いいのか?」

全く、何て格好悪いんだろうな、俺。
ちやんと、紹介するつもりだつたんだ。

俺の愛する人です。俺が生涯掛けて守りたい人です。

つてさ。
“一生の不覚”つて、当にこの事だよな。
やり直せるものならば、やり直したい。

つまり、俺は全くの役立たずでしたけれど、話は丸く収まりました。
LINEの交換なんかしちやつてさ、先程、笑顔で帰宅しました。

なんだよー
なんだよ、俺はー
当分、立ち直れないと思ひます。

(T^T)




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不倫の罪。

国会議員や芸能人が、立て続けに不倫で世間を賑はせてゐるけれど、全く呆れるばかりだ。
“姦通罪”等と言ふつもりはないけれど、子供を持つ親の不倫は、児童虐待ではないかと思ふ。
自分の親への信頼だけではなく、愛情や性的な物への見方をも、歪めてしまふのではないだらうか。

だいたい不倫なぞ、そんなもんは手近なレジャーだしな。
「夫婦と違つて、不倫は生活が伴はないから純粋な恋だ。」等と、屁理屈にもならない事を言ふ奴もゐたけれど、純粋ならば待てるだらう。純粋な恋ならば。

性欲だから待てないんじやないのか。

堂々と、ホテルや自宅で会つたり、公共の乗り物の中や、街中でベタベタしてるのは、どこかで自分達は許されるのではないか、言ひ訳すれば通るのではないかと、思つてるからだよな。

百歩譲つて、大人同士はまだいいけれど、不用意にそれ等を見せられる、子供達はどうする。
もう、ご近所の目が、と云ふ時代ではない。インターネットで瞬く間に世界中の目に晒され、しかも、半永久的に残る。
五百歩譲つて、子供がまだ生まれたての赤ん坊だとする。それでも、大きくなつてから、他人の口から耳に入つたり、有名人なら親の名前を検索したら出てくるだろ。

俺がかう云ふ事を言ふと、大抵、子供は親を選べないんだから、と宣ふ輩がゐるんだけど、選べないから我慢させるのかよ。
選べないからこそ、守つてやらなけれあならないんだろ。

因みに俺は、翼以外の「可愛いなあ。」と思ふ子は、ほぼ「ヤりたいなあ。」とセットなので、全く純粋ぢやあありません。








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平成29年、長崎原爆忌に寄せて。

夏来ぬと水辺へ走る子供らの瞳にはただ夢を写して

夏が来る度に、真つ青な夏空を見上げては、原爆が落とされた日を思ふ。
この晴れ渡る蒼穹から、あの忌まはしい爆弾が落とされ、地上に地獄が出現した。
水を求めながら死んでいつた人々へ届ける為、今年も長崎では“平和の泉”から水を汲む。
そして、鎮魂と恒久の平和を祈る。

「歴史は繰り返す。」と言ふけれど、人間は何故、愚かな行ひ、過ちを繰り返すのか。
学ばないのか。それとも、過ちと思つてゐないのか。
暴力を手段に選ぶ者を、止める術は無いのだらうか。
戦争もテロも、様々なハラスメントも虐待もいじめも暴力だ。誰も幸せにはなれない。その瞬間だけ、欲望を叶へたと思つても、その後は。

他人の心身を傷付けず、何も奪はずに幸せになれる方法を、考へる頭を、人間は持つてゐる筈だ。



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平成29年、広島原爆忌に寄せて。

逝かしめし人を思へる一夕に終末のごと空焼け落ちて

今年は大丈夫だつたのか。
我が国の歴史を大きく揺るがした出来事を記念する日に、使ひ回しの原稿を読み上げた残念な安倍晋三。

誰のせいだとか、誰が悪いとか、そんな話ではなくて、原子爆弾の恐ろしさ、放射性物質の恐ろしさを、もつともつと、我々は知らなければならないと思ふ。
原子爆弾よりも、もつと身近な、放射性物質を扱ふ施設での被曝事故が起こる度に、認識が甘いのではないのかと思はざるを得ない。
被曝事故が起こると、政府や関連企業は、狂つたやうに「問題無い!」と叫ぶけれど、問題が無かつた事が嘗て有つただらうか。

今まで原発で養はれて来た筈の“地元”が、何故、原発の再稼働を反対するのか、それに思ひ至らない政府は、一度で良いから、私利私欲を捨てて、国民の事を考へて欲しい。
自分達を庇護してゐるのだと主張する“核兵器”と、北朝鮮が開発に血道を上げてゐる“核兵器”とが、同じ物だと云ふ事に早く気がついて欲しい。
人類の存亡に関はる事だ。

自分等がどれだけ特別だと思つてんのか知らねえけど、放射性は避けちやくんねえだろ。

小説でもなければ映画でもない。現実の話だ。




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