帆を張るやうに胸を張れ

「今年のバレンタインデーは金曜日なんだね。」

俺は同僚に話し掛けました。同僚は興味無さげに、うんとか、ああとか言つてるけど、何気ない振りで、俺はもう一度繰り返します。

来るべき“その日”の為に、俺は今年も準備を始めました。
Ａ沢は今年もそんな俺を、呆れた顔で見てゐます。

うちの女の子の話なんだけど、高校生の時に好きになつた男の子が、素朴なんだけど凄く優しい子で、隠れファンがたくさんゐたさうな。

「ライバル多さうだなあつて、チョコレート渡すの迷つてたんです。」

そしてその日が来ました。

「チョコ、渡せたの？」

俺が聞くと、女の子は微笑んで首を振つた。

「朝、彼が来る前に登校して、机を覗いてみたんです。」

男の子の机の中には、既に幾つかのチョコレートが入つてゐたさうな。それで、諦めてしまつたらしい。

なんて健気なんだらう。

俺は胸がジーンとしてしまつた。

「当時から、可愛らしい人だつたんですね。」

俺の言葉に、女の子は口元や両頬を手で押さへて照れてゐた。

彼女の好きだつた男の子。君、勿体ない事したかもよ？

今、巷で話題の“リズムネタ”。
相変はらずついてゆけませんけれど、頻繁にテレビやラジオ、街中でも流れるし、職場でも話題に上がるので、嫌でも覚へてしまひます。

今年も春を迎へるにあたつて、“立春大吉”で一句詠みたいと思ひ、色々と頭を巡らせてゐるのですけれど、それがあの流行りのフレーズにすり替はつてしまつて困つてゐます。
それを何気なく同僚に(俳句の事は伏せて、)話したら、

「あー、あれだろ。ゴッスンゴレライ。」

何それ、怖い。(´・ω・`)

ついてゆけなくても、知つたかぶりは止めませうね。

最近、「ぢいさんだから物忘れが…」とか、「ぢいさんだから耳が遠くて…」とか、“ぢいさん”を多用してゐたら、Ｗ部長に、

「まだ、早い。生意気だ。」

と、後ろから頭を叩かれた。
撲られた訳ではなく、手のひらで、かう、ペチンと。

えへへ(*´ω｀*)

応接の前を通つたら、全裸のオッサンがソファーに腰掛けて煙草を吸つてる！！

と思つたら、ベージュのスラックスに薄いピンク色のシャツを着たお客様でした。

変質者かと思つたぜ。

昨年、機種変更した２台目のスマホ( Xperia Z Ultra SOL24 )。
翼には“携帯電話機能付きタブレット”と言はれ、職場ではネタ扱ひだけど、俺自身はとても、とーつても、気に入つてゐます。

前のスマホ( INFOBAR C01)もネタ扱ひだつたけどな。

「極端から極端へ走る奴。」とか、「前の携帯(スマホだから。)のせいで、老眼が進んだんぢやね？」とか、好き放題言はれてをります。
良いよ、ウルトラ。何より画面がデカイ。老眼に優しいよ。
一応、スーツの内ポケットにも入るし、俺は手がデカイから持ち難い事もないし。
スタンドに立てて、調べものしてるフリしながらTwitterしたりね。
強いて言へば、ケースが余り選べないのと、電話してると周りの人に見られるくらゐかな、難点は。

この前も、取引先の人に、

「携帯、でかくなりましたねー。」

つて言はれたから、

「見易くて良いんだよ。」

つて言つたら、

「そうですねー。でも、ちよつと持つ勇気ないつす。」

つて言はれた。

勇気つて何だよ、勇気つて。

昔、ウォークマンとか携帯持つて歩くのに、ショルダータイプのガンホルダー使つてたんだけど、またあれ使はうかなあ。

あ、でかくて入らないや。