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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog


儀式。

持ち主がある奴隷を抱いた事があります。

持ち主の目の前で。

もちろん、無理矢理でも、勝手にやつた訳でもありません。

主の部屋に通されて酒をご馳走になつてゐると、ドアをノックする音がしました。
主が入りなさいと声を掛けると、失礼しますと細い声がして、一人の男の子が入つてきた。

「ご挨拶をなさい。」

主が静かな声で告げると、男の子は俺の視線を避けるやうに頭を下げ、俺の足元に跪きました。
薄い肩や細いうなじは子供のやうで、思はず眉をひそめると、主が笑つて大丈夫だと言つた。

「幼く見えるけど、二十歳はとうに越えてゐる。」

さう俺に言つてから、主は男の子に早くしろと鋭い声で命じた。
男の子は失礼致しますと言つて、優雅な仕草で身を屈めると、俺の革靴の爪先にキスをした。

靴越しに彼の柔らかな唇の感触を感じた瞬間、俺の中に、暴力的な衝動が湧いた。

実は、主から依頼が有つた時、面白いと思ひながらも、俺は小さな憂鬱を抱へ込んだ気がしてゐたのだ。
それが一気に吹き飛んだ気がした。

「脱げ。」

主が言ふと、男の子は静かに立ち上がつて服を脱ぎ始めた。
体毛は綺麗に剃られてゐて、ほつそりとした骨格を、滑らかな皮膚が覆つてゐる。
男の子は服を下着まで脱ぎ終はると、傍らの椅子に、きちんと畳んで置いた。
そしてまた俺の前に跪くと、宜しくお願いしますと頭を下げた。

「本当にいいんですね。」

俺が尋ねると、主は男の子を眺めながら言つた。

「好きにしてくれて結構。私がこれを抱く事は無い。」

俺はソファーに座つたまま、スラックスのファスナーを下げた。下着の前を開け、ぺニスを取り出す。

男の子は小さな声で失礼しますと言つて膝でこちらへ近づくと、綺麗な指で俺のぺニス持ち上げて自分の舌の上に乗せた。
ぬるりとした温かい感触に、腰の辺りがざわざわする。

続いて男の子がぺニスを咥へやうとすると、主から、そのままと声が掛かつた。戸惑ふ俺とは対照的に、男の子は俺のぺニスを舌に乗せたままじつとしてゐる。よく躾られてゐて、主の命令に従ふ事に対して、露程の疑ひも抱いてゐないやうだ。

困つたのは俺の方だつた。
彼の呼吸や、身動ぎの度に、ゆるゆると舌が蠢いて、思はず声が漏れてしまふ。ゆつくりと深呼吸をしながら堪へたけれど、開けつ放しの男の子の口から透明の涎が流れ、小さな顎の先を伝つて床に落ちるのを見てゐたら、いよいよ限界を感じて、目で主に助けを求めてしまつた。

「よし!」

主は身悶へしさうな俺を見て、笑ひを堪へながら男の子に命令した。

その瞬間、男の子が俺のぺニスを咥へ込んだ。貪るやうに咽まで吸ひ込んで舐め回す。その感触に、俺は今度こそ、声上げてしまつた。
その様を主は楽しげに見てゐたが、ふいに立ち上がると寝室に通じるドアを開けた。

「さあ、儀式を始めようか。」

主が些か芝居掛かつた身振りで、俺達を寝室へと促した。

俺は男の子の顔を見つめた。
無表情でもなく、ぼんやりしてゐる訳でもないけれど、その顔からは表情を読み取る事が出来ない。

男の子はさう教はつてゐるのか、ベッドの前に正座をすると、指を揃へて頭を下げた。

「頼むよ。」

主は寝室の安楽椅子に腰を下ろすと、にやりと笑つた。

俺は少し緊張しながら、男の子をベッドの上に上げた。
男の子は俺の顔を下から見上げて、うつとりと目を細める。

「気持ちよくしてやる事はないんだ。」

主は煙草に火を点けた。

「これはセックスぢやないんだから。」

主は煙を吐き出しながら言つた。

俺はふと、緊張が憂鬱の色を帯びるのを感じたが、それを振り払ふやうに男の子の脚を大きく開かせた。

「始めるよ。」

俺はわざと、ローションのボトルを男の子に見せつけるやうにしながら言つた。
男の子は細い声で、はいと返事をした。

主の焦れた視線を背中に感じながら、俺は入念に準備をした。
男の子は時折眉を顰め、額に汗を浮かべてひたすら耐へてゐたけれど、それでも男の子は泣いたり怯えたりしなかつた。

挿入の瞬間、男の子は俺の首にしがみついてきた。
耳元に唇を寄せて、途切れ途切れに息を吐く。
如何にも切なげなそれは、俺を興奮させなかつた。

男の子は主だけを見てゐるのだと思つた。








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