それでも結婚したい。
「どうして結婚しないんですか?」
朋也が真面目な顔で俺にかう問ふた。
「親父がさう聞けつてか?」
さう聞き返すと、朋也はばつの悪さうな顔をして頷いた。
まだ諦めてゐないのか。
自分の友達が、他人に薦めたくなる程幸せな結婚生活を送つてゐると云ふ事は、喜ばしい事なのだが。
最近、同性婚の認められる国や州が増えた。それを歓迎する向きも多いけれど、それが即差別の解消にはならないと云ふ声も多い。
実際、伴侶として入籍を果たせた処で、往来を腕を組んで歩いたり、家族や友人、職場でカミングアウト出来る訳ではない。
受け入れる側の都合も有るしな。
それでも結婚したい。
翼を愛してゐると云ふ事を形に残したい。
年齢からいつたら先に逝くのは俺だからな。遺せる物が有れば遺してもやりたいし。
例へば俺達が異性同士だつたとしても、今の状態では一緒に暮らす事は難しいんだけど、それでも法に守られてゐると云ふ事はそれだけ安心だろ。
金で寂しさは埋めてやれないけど、有つても邪魔にはならねえよな。
後を託せる男がゐれあもつと安心出来さうだけど、それぢやあ俺が成仏出来ねえわ。
朋也が真面目な顔で俺にかう問ふた。
「親父がさう聞けつてか?」
さう聞き返すと、朋也はばつの悪さうな顔をして頷いた。
まだ諦めてゐないのか。
自分の友達が、他人に薦めたくなる程幸せな結婚生活を送つてゐると云ふ事は、喜ばしい事なのだが。
最近、同性婚の認められる国や州が増えた。それを歓迎する向きも多いけれど、それが即差別の解消にはならないと云ふ声も多い。
実際、伴侶として入籍を果たせた処で、往来を腕を組んで歩いたり、家族や友人、職場でカミングアウト出来る訳ではない。
受け入れる側の都合も有るしな。
それでも結婚したい。
翼を愛してゐると云ふ事を形に残したい。
年齢からいつたら先に逝くのは俺だからな。遺せる物が有れば遺してもやりたいし。
例へば俺達が異性同士だつたとしても、今の状態では一緒に暮らす事は難しいんだけど、それでも法に守られてゐると云ふ事はそれだけ安心だろ。
金で寂しさは埋めてやれないけど、有つても邪魔にはならねえよな。
後を託せる男がゐれあもつと安心出来さうだけど、それぢやあ俺が成仏出来ねえわ。
- 2011/10/03(月) 23:33:27 |
- URL |
- ハムおやぢ
- [ 編集 ]
パートナーや伴侶ではなく、人生を共に戦っていく「戦友」がほしい、と最後に書きました。
それは、大輔に出会う前のことでした。
そして、大輔を失いました。
一生ずっと一緒にいたいと願った人を失いました。
互いにつっかえ棒になれる人でした。
婚姻って何なんでしょうね…。
事実婚じゃだめなのかな…。
Senora.tさんがおっしゃっていた、映画の「黄昏」や「きみに読む物語」のような人生の晩秋を迎えたいと恋願う次第であります。
乱文にて失礼しました。
- 2011/10/01(土) 23:46:36 |
- URL |
- 瑠衣
- [ 編集 ]
いまひとつ決心がつかない何かが、彼の中にあるのかもしれませんね。
愛って目に見えないものだから形にするってとても大事なことだと思います。
一緒にくらすとかは無理なんでしょうか?
人生は長いようで短い。
少しでも多く、二人一緒の幸せな時間を持っていただきたいです。
Senora.tへ。
法よりも何よりも、翼が俺のプロポーズに良い返事をくれないんですよねぇ。生き方にだって仕事にだって自信を持っているのに、俺と添い遂げる事だけは自信が無いのだそうです。
愛するかたち
- 2011/10/01(土) 21:37:48 |
- URL |
- アッキー
- [ 編集 ]
ボクも2年前の入院ではなく、
10数年前の入院の時に、
もし、自分がこの世から逝ってしまった時のことを考え
住まいを賃貸から自己所有に変えた。
だからって、相続権のないパートナーに
そのままでは遺せないのだけど・・・。
でも、きっと何とか出来ると思って。
法的に守られていない以上、
こちらも何らかの対処を考えておかなければいけないのだけど
なかなか・・・。
でも、きっと、そういう「遺せるもの」
「遺して貰うもの」の具体化よりも
その「きもち」、「思い」が大切なんだと思う。
でも、遺したい。
愛する思いを愛のかたちにする。
法で認められぬ
成らぬ仲の関係での
解決できない永遠のテーマですね。
こんにちは
- 2011/10/01(土) 12:12:13 |
- URL |
- Senora.t
- [ 編集 ]
カナダは国籍を問わず同性間に結婚証明書を発行する国です。
その証明書に法的な効力があるかどうかより、
神の前で愛を誓うことにこそ意義があるというのが私の考えです。
結婚というのはそういう厳密なものだと思います。
以前、NHKの番組で海外の同性婚のことを少しとりあげていたのですが
年老いたゲイの二人が一緒にホームに入居し、庭を散歩していた姿がとても心に残っています。
いろんなことを乗り越えて、あそこまでいけたらって思ったものです。
結婚って、一時の気の迷いのようなものでしてしまうのかもしれません。
その気の迷いのツケをずぅっと払い続けるのが結婚生活と皮肉ることもできますが
それだって選択の自由があったからこそ、ですね。
今の日本では同性愛の人々にその自由がありません。
・・・なんていうことを、記事から考えさせられました。
>後を託せる男がゐれあもつと安心出来さうだけど、それぢやあ俺が成仏出来ねえわ。
案外、心配性^^? かわゆい。