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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog

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変なをぢさん。

近所のよく行くコンビニで、赤ら顔の爺がバイトの女の子に絡んでゐた。

「どうせ遊ぶ(バイトしても)金になつちまふんだろ?」

「学生が勉強しないでどうすんだよ、遊んでばつかでよお。」

後ろに並んでうんざりしてゐると、突如、背後から声が響いた。

「大変お待たせ致しましたあ!!」

最近入つた女の子である。
彼女は胸に抱えた煙草の包みをガバッと置くと、ピカピカの笑顔で隣のレジを開けた。

「お待たせして申し訳ありません!!二番目のお客さまからどうぞ!!」

爺は呆然とその子を見て、それから初めて自分の後ろを振り返つた。

自分を睨み付けながら、隣のレジへ移動する人・人・人…

俺は後ろに並んでゐた男の子に、どうぞと声を掛けてから、そのまま爺の後ろに立つてゐた。
爺は俺を見上げて暫し固まつてから、やおら自分の荷物を持つてレジを離れた。

「よく来るの?ああ云ふの。」

女の子は遠慮がちに笑つて、小さく、いいえと答へた。

「大人は疲れてるんだよね。色々有つてさ。」

俺はチロルチョコを二個買つて、お疲れさんと二人に渡した。

俺も“変な客”として、バイトの子達にインプットされてるんだらうなあ。

愉しいなあ。
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