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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog

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親孝行。

正月に実家へ帰つてゐた時に、近所に住む幼馴染みに会つた。
奴は就職して東京へ行き、嫁を連れて地元に帰つて来たと云ふ、近所でも評判の孝行息子だ。
車が趣味で、東京にゐた頃はよく連んで走りに行つたつけ。

さて、この孝行息子、最近犬を飼つたと言ふ。

「親父も歳食つて、足腰が弱つてきたろ。でも一人で散歩つつふのも淋しいかと思つてさ。」

そこで、親父さんの散歩のお供にと云ふ事らしい。
さすが孝行息子と思つたら、嫁さんの入れ知恵なんだと。

処が、犬を飼つて一年も経つた頃、問題は起きた。
親父さんが一人では犬の散歩に行けなくなつてしまつたのだ。

親父さんが弱つたのではなく、犬に問題が有つた。

嫁さんは、チワワやポメラニアンとかの小型犬を想定してゐたのだけれど、この馬鹿…否、孝行息子は犬の値段を見て、勿体ないと考へたらしい。
嫁さんに何の相談も無く、近所で生まれた雑種の仔犬を貰つてきたのだ。

「それが、あつと云ふ間にでつかくなつちまつてさあ。」

まいつたなあと言ひながら、孝行息子は柴犬をそのままデカくしたやうな、秋田犬の雑種に引き摺られるやうにして、散歩に出掛けて行つた。
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