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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog

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観察日記。

俺が小さい頃、と言ふか今もなんだけど、実家の台所のカウンターの端に、ガラス製のキャンディーポットが有る。
ママンによると、俺がまだ産まれる前、子供が姉貴一人の時に、観光地の土産物屋で買つた物らしい。俺の歳を考へたら、ちよつとしたアンティークだよな。
俺はそのキャンディーポットがとても好きだつた。

外遊びから帰つて来た時や、家族の手伝ひをした時に、ママンが、

「お一つ、どうぞ。」

と言つて、居間のテーブルにキャンディーポットを置いてくれるんだけど、そのキャンディーポットを自分で開けて、色とりどりのキャンディーの中から一つを選ぶと云ふ行為が、俺はとても好きだつたんだよね。
背が伸びて、自分で好きなやうにキャンディーを食べられる歳になつても、キャンディーポットを見ると、なんとなく楽しい気持ちになつた。今でも実家に帰ると、どんなのが入つてゐるか見る事があります。

先日、それをママンに言つたら、ママンもそのやり取りが楽しみだつたと云ふ事が判つた。

「なにしろ、たつた一つでせう。あなたが何を選ぶのか、とつても楽しみだつたの。」

ああ、ママン。
あのキャンディーポットに満たされてゐたのは、ママンの“愛”だつたのですね。

俺は親にはなれなかつたけど、そんなふうにママンと親子になれた事を、とても幸せに思ひます。
ありがたう。


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