花は桜。
あちらこちらで日本語の劣化を憂ひてゐたら、同僚が奥方の見たと云ふテレビの話をしてくれた。
奥方が夕方のニュースを見てゐると、天気予報が始まりました。話題は桜前線の北上と、弘前の桜祭についてです。
そこで奥方は、耳慣れない言葉を耳にします。
「今年は桜の“散り”が早くて…」
聞き間違ひだらうか。
奥方は怪訝に思ひながらも、天気予報の続きを見てゐました。すると、アナウンサーが気象予報士に、
「気温や雨のタイミングで、早く散つてしまつたんですね。」
と言ひました。気象予報士は大きく頷いて、
「そうなんです。それで“散り”が早まつた訳なんです。」
と答へたさうな。
「気象の専門用語か何かなのかねえ。」
同僚は首を傾げました。
「情緒もへつたくれもねえよなあ。」
俺は大きく頷きました。
奥方が夕方のニュースを見てゐると、天気予報が始まりました。話題は桜前線の北上と、弘前の桜祭についてです。
そこで奥方は、耳慣れない言葉を耳にします。
「今年は桜の“散り”が早くて…」
聞き間違ひだらうか。
奥方は怪訝に思ひながらも、天気予報の続きを見てゐました。すると、アナウンサーが気象予報士に、
「気温や雨のタイミングで、早く散つてしまつたんですね。」
と言ひました。気象予報士は大きく頷いて、
「そうなんです。それで“散り”が早まつた訳なんです。」
と答へたさうな。
「気象の専門用語か何かなのかねえ。」
同僚は首を傾げました。
「情緒もへつたくれもねえよなあ。」
俺は大きく頷きました。