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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog

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ルーキー、リターンズ。

煙草を吸ひに行かうと廊下へ出たら、廊下の突き当たりでルーキー君と教育担当、その上司が何やら話してゐた。
また何かやらかしたらしく、大きな体を恐縮させて凛々しい眉毛もハの字に下がつてゐる。

「あんまり苛めるなよ、縮んじまふだらう?」

俺がさう言ふと、教育担当が吹き出した。

「少しくらゐ縮んだつて構ひませんよ。これだけデカいんだから。」

釣られてへへへと笑ふルーキー君の尻を教育担当がばしつと叩いて、ルーキー君の眉毛はまたハの字に逆戻り。
いつたい何をやつたのかと尋ねたら、客先で待たされてゐる間に、居眠りをしてしまつたらしい。

それを聞いた途端に、俺の中で急速に時間が巻き戻つた。
そこにゐるのは、大きな背中をしよんぼりと丸めたあの頃の俺と、まだ主任だつたT部長代理。

みんなルーキーだつた。
その事が何だかとても大切で、愛ほしい気がして、俺は思はず笑ひ出してしまつた。

  1. 職場
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ちなみにこの教育担当の上司がまだルーキーだつた時、得意先には何度も真つ白なFAXが届いた。
そして教育担当は珍しく自分で内線をかけてきた社長に、

「どちら様ですか?」

と尋ねた武勇伝を持つてゐる。



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