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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog

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お多福または、種無し葡萄の恐怖。

昨日から発熱が有りまして、酷くならない内にと病院へ行つて参りました。

一通り診察が済んでから、熱や倦怠感の他に何処か辛い所は有りませんかと聞かれたので、昨日から右耳が痛むと云ふ事と、それからこれはとても恥ずかしかつたのですが、

「玉が腫れた感じがするんですけど…」

と伝へました。
すると、故“笠智衆”似のダンディーな初老の医師は俺にかう尋ねました。

「おたふく風邪はやりましたか?」

おたふく風邪つて言ふと、耳の下から顎にかけて、お多福のやうに腫れ上がるアレですね。

「はい、確か小学生の頃にやりました。」

俺がさう答へると、笠似の医師は笑つてかう言つた。

「耳も睾丸も、近くのリンパ節が腫れて痛むだけでせう。おたふく風邪は怖いんですよ。大人が罹ると子供より熱が高くなるから、種無しになる事も有るんですよ。」

俺は一生子供を作る事は無いけど、種無しは嫌です。

恐ろしい事をさらりと言ひながら、医師は笠似の顔で笑ふのでした。

  1. 日常
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その後、種無し葡萄はどうやつて出来るのか等と云ふ風邪とは全く関係の無い知識を披露して頂き、病院を後にしました。

種無し葡萄つて葡萄の房がまだ青くて小さい内に、ジベと云ふ液体に浸すのださうです。

「ジベ液に浸すとね、シュワッと泡が出て、葡萄の中の種が消えてしまふんですよ。」

シュワッと消えてしまふんですつてよ。
シュワッと。

キャー!



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