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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog

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絶対領域。

俺のテニス仲間は多分みんなノンケですが、過去にはこの人は、と云ふ人もゐました。

10年くらゐ前だけど、コートや試合でよく見かけてゐた初老の方。仕草が妙に艶つぽいんだよね。煙草の吸ひ方とか座り方とかさ。

特に肩越しに振り返る時の視線と言つたら。
“流し目”つて言ふんですかね、あれ。

一度だけお手合はせさせて頂きましたけど、たいそうテクニシャンでクリーンでした。

あ、テニスの話ね。

自分の試合が終はつてベンチで仲間の試合を観てゐたら、その方が隣へやつて来ました。

「先程はありがたうございました。」
「いいえこちらこそ。良い試合でしたね。」

当たり障りの無い会話をしながらそれとなく観察してみると、歳は50代半くらゐで髪は白髪がいい感じに差して、ロマンスグレイと言つた感じで…

「…だね。」
「え?」

聞き逃した言葉を確かめようと彼の顔を見た瞬間、彼の手のひらが俺の膝を掴んだ。一瞬だけ指先に力がこもり、太腿までスッと撫で上げる…

「いつも○○のコートでお見かけしますよ。その内またお手合はせ願はうかな。」

返事を返すのがやつとだつた。

彼が立ち去つた後、彼が撫でた所へ手を乗せてみたら、鳥肌が立つてゐました。

勃起したの、バレてたかなあ。


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