明るい社風です。
同僚が新人くんに、
「『水戸黄門』の助さんと格さんがゐるだろ。」
と話し掛けてゐた。
仕事をしながら、なんとはなしに聞いてゐたら、助さんと格さんの、それぞれの名前を知つてゐるかと云ふ話だつたのだけれど、新人くんはどうやら知なかつたらしく、首を捻つてゐる。
そして突然、
「格兵衛さんとかですか?」
新人くんの真面目な様子に同僚は苦笑しながら、
「ぢやあ、助さんは?」
と訊ね、俺は手元の資料を見るふりをして、なんとかやり過ごした。
ところが…
「えーと、助兵衛さん。」
その瞬間、同僚は笑ひ出し、俺はデスクに突つ伏してしまつた。
助さん、可哀想に。
「『水戸黄門』の助さんと格さんがゐるだろ。」
と話し掛けてゐた。
仕事をしながら、なんとはなしに聞いてゐたら、助さんと格さんの、それぞれの名前を知つてゐるかと云ふ話だつたのだけれど、新人くんはどうやら知なかつたらしく、首を捻つてゐる。
そして突然、
「格兵衛さんとかですか?」
新人くんの真面目な様子に同僚は苦笑しながら、
「ぢやあ、助さんは?」
と訊ね、俺は手元の資料を見るふりをして、なんとかやり過ごした。
ところが…
「えーと、助兵衛さん。」
その瞬間、同僚は笑ひ出し、俺はデスクに突つ伏してしまつた。
助さん、可哀想に。