帆を張るやうに胸を張れ

先月から会社の保健室の看護婦さんが代はりました。
またまた若くて可愛らしいお嬢さんなのですけれど、前任のお嬢さんから引き継がれてゐるらしく、インフルエンザの予防接種逃れをチェックして回つてゐます。

俺はいつもいつも先伸ばしにしては怒られると云ふ、摘発逃れの常習犯なのですが、今年は１１月の声を聞くと同時に予約を入れて済ませて参りました。
やれば出来るんですよ、俺だつて。

昨年も、

「予防接種も仕事の内だと思つて下さい。」

とか、

「子供ぢやないんだから。」

とか、娘ほどの年齢のお嬢さんに散々怒られて、ようやく諦めて予防接種を受けたんだけど、注射、嫌ひなんだよ、本当に。

さて、今年はさう云ふ具合に、無事に済ませた訳ですけれど、そんな俺の元にも何故かお嬢さんが。

届けも出したし、何か書類の不備でも？
まさか、もう一度、受け直して来いとか？！

((((；゜Д゜)))

「〇〇課長、おはやうございます。」

「はい、おはやうございます。」

にこやかなお嬢さんと、突然、挙動不審になる俺。

「予防接種受けに行つて下さつたんですね。ありがたうございます。」

「はい、どういたしまして。」

恐いよう、恐いよう。

「前任者の●●から言はれて来たんですけど、心配無かつたみたいですね♪」

恐いよう、何を言はれてたんだよう。

結局、お嬢さんは、にこにこしながら保健室へ帰つてゆきました。

そんなに大袈裟にする事かよう。
俺の他にもゐるだらう。

さう思つて昼飯の時に同僚数人に聞いたら、毎年、保健室のお嬢さんや、総務課の女の子に注意されてるの、お前ぐらゐだよつて。

裏切り者ー(´；ω；`)/