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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog


刺されたら痛いよ。

フランスの諷刺画が話題になつてゐるけれど、いや、話題どころか死人が出るやうな事件になつてゐる訳だけれど、フランスでは昔から、さう云ふものを面白がり、“粋とする”文化が有る。

よく知られてゐるものでは、“cocu”と言つて、妻を寝取られた夫を揶揄する言葉が有るけれど、寝取られた夫本人は悲惨な事この上ないけれど、それを温かく見守りつつも面白がつてしまふのがフランス人。
アメリカのジョークよりも洗練されてゐて、イギリスのジョークよりも自由な感じがする。

そして、それ等のどれよりも、残酷。

俺にはとても判らない。まあ、判らなくても良いけどさ。俺はフランス人ぢやないし。

ただ、今回の事件に関しては、他人(他民族、他宗教。)の、触つちやいけない部分に触つちやつた気がする。
触つちやつたと言ふか、踏み躙つたと言ふか。
フランスはもともと移民の文化は認めてゐないし、もしかしたら、フランス人の“諷刺”の精神からも外れてしまつてゐるのかもしれない。

“諷刺”とは人を楽しませ、元気づけるものではないのだらうか。
日々の暮らしの中で、人々の営みの中で、一緒に笑ひ、一緒に悲しみ、心の触れ合ひの中で、生まれたものではないのだらうか。
支配や抑圧に対して微笑みを浮かべながら、それ等の急所をチクリとやる、さう云ふものが“諷刺”の精神なのではないだらうか。

他人の大切なものを踏み躙る表現の自由とは、いつたい何だらう。
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