お姉ちやん。
正月に実家で叔母から聞いた話。
俺が生まれる前、姉貴はよく洗面所で、自分のハンカチや靴下を手洗ひしてゐたのださうだ。
ママンが不思議に思つて尋ねると、
「赤ちやんのおむつ、私が洗つてあげるの。〇〇はお姉ちやんだから。」
結局姉貴は、自分が思ひ描いたやうな“お姉ちやん”にはなれなかつた。
自分を一生苦しめる存在だとも知らず、俺の誕生を楽しみにしてゐた姉貴が、ほんの少し可哀想だと思つた。
俺が生まれる前、姉貴はよく洗面所で、自分のハンカチや靴下を手洗ひしてゐたのださうだ。
ママンが不思議に思つて尋ねると、
「赤ちやんのおむつ、私が洗つてあげるの。〇〇はお姉ちやんだから。」
結局姉貴は、自分が思ひ描いたやうな“お姉ちやん”にはなれなかつた。
自分を一生苦しめる存在だとも知らず、俺の誕生を楽しみにしてゐた姉貴が、ほんの少し可哀想だと思つた。