帆を張るやうに胸を張れ

食器もさうだけど文具、特に筆記具も“無印良品”で買ふ事が多い。
使ひ易いからと云ふのも有るんだけど、デザインが好きなんだよね。

色や柄やロゴやマーク等がバラバラの物を、見たり持つたり使つたりするのが苦手なので、シリーズで揃へられない物は、殆ど“無印良品”で探す。

さうしてそれ等を眺めつつ、ひとり悦に入つてゐる訳なのだけれど、今度は余りにも揃ひ過ぎてしまつて、咄嗟の時に欲しい物を取り出せない事が有るのだ。ボールペンとシャーペン、ノック式の消しゴム等は、色も太さもそつくりなのだ。

此処まで書いて、ふと既視感を感じたのだけれど、さう言へば台所でも同じ事が起こつてゐる。

シンク下の引き出しに入れてある玉杓子と穴杓子と網杓子にフライ返し、ピーラー、卸し金、マッシャーに至るまで総てのアイテムの柄が白なのだ。

色を変へれば判り易いかなあと思ひつつも、やつぱり視界がゴチャゴチャするのが嫌で、現在に至つてゐるんだけどね。