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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog

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大なゐの記憶や今も冴返る

福島には“凍み餅”と言ふ、とても美味い食べ物が有ります。
蓬餅を縄で括つて昼夜屋外に干し、高野豆腐のやうに凍みさせた物を、ぬるま湯で戻し、軽く搾つて油で焼き、醤油を掛けて食べる。
食事にもなるし、おやつにもなるし、腹持ちも良いです。

福島の田村市に住む親友の家でも作るんだけど、それよりも隣の葛尾村の物が美味いとかで送つて貰つた事が有る。
名産品らしくて確かに美味かつたけど、親友のお祖母さんが納屋の軒先から切つて持つて来てくれた物も充分美味かつた。

もう、暫く食べてゐない。
親友のお母さんが、

「わがえ(我が家)のもんには食はせつけども、他所様の息子さには、はあ…」

はつきりとは言はないけれど、放射能が、と云ふ事らしい。

震災から2年が経つた。
親友の奥さんが、たくさんの人が避難して行つて淋しいつて言つてゐたけど、その人達も戻り始めてゐるらしい。

安全かどうかなんて、誰にも判らない。
それでも彼等の生活はそこに有る。
何処へもゆけず、踏み出せず、2年。

福島だけではない。
未だ避難所を出られない被災者が139人もゐると言ふ。仮設住宅ではない。避難所だ。

だから、楽しい事を我慢しろと言ふ訳ではないけれど、日本が一丸となつてオリンピックを招致すると云ふニュースに、

「被災地は日本ぢやねえのかよ。」

と苦笑ひする親友の事を、俺は無視する事は出来ない。
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