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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog

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いいふうふの日。続き。

宿泊した旅館をホテルと表現したのは、規模だけではなく、設備面からの印象もあります。
居間の隣に襖で仕切られた小さめの座敷が有つて、そこが寝室になつてゐたんだけど、布団を乗せたロータイプのベッドが二つ、くつつけて置いてありました。
当然、中居さんが布団を敷きに来てくれるもんだと思つてたんだけど、これは良い。

着いたら直ぐにでも、「どうぞ!」つて事ですよね。

襖を開けて、珍しさうに覗き込んでゐた翼の背後に立つと、直ぐ様、襖を閉められてしまひました。下心たつぷりの何かが俺から溢れてゐたのでせうか。
長距離乗ると何故か元気になる俺は、そのまま雪崩れ込んでも良かつたんだけど、足湯でテンション上がつた翼を押し倒すのは大変さうなので、早々に諦めました。

いつものやうに、昼食は蕎麦をと思つて探してゐたら、翼も俺も、物凄く好みな建物を発見してしまひました。四角い箱のやうなシンプルなラインと、モノトーンの外壁に看板。近寄つて見ると、どうやらイタリアンの店らしい。

『チャイニーズかと思つた。』

俺もさう思つたんだよね。何故、さう思つたのかは判らないんだけど。
とにかく気に入つたから、昼はそこで食ふ事のしました。
俺はトマトの冷製パスタ、翼はチーズリゾットを食べたんだけど、冷製パスタはトマトの甘さとバジルの香りと、パスタのツルツルとした舌触りが絶妙で、一口食べるごとに楽しめました。翼のリゾットはサービスでチーズを追加して貰へるやうになつてゐて、チーズの大きな塊と、これまた大きなおろし金に大喜びでした。
サラダも美味かつたなあ。
レタスを千切つて生野菜を刻んだやうなサラダではなくて、色とりどりの小さな葉つぱがたくさん盛つてあつて、甘味、辛味、苦味をそれぞれに楽しめました。ドレッシングは何を使つてゐるのか聞いたら、岩塩と黒胡椒、オリーブオイル、レモンの搾り汁を、混ぜないでかけてあると云ふ事でした。
野菜を噛んだ時に、ふはりと花のやうな香りがするんだけど、それだけは「隠し味と云ふやつですね。」と笑つて教へてくれませんでした。

ワインも頼まうと思つたんだけど、前回、寝てしまつて残念な事になつたから、昼から飲むのは止めました。

せつかくホテルが「どうぞ!」つて言つくれてるんだからさ。

ホテルに戻つてから大浴場に出掛けた翼を、俺はシャワーを済ませて待つて居りました。

大浴場から帰つて来て、ベッドの上で、すつかりスタンバイオーケーな俺を見て、翼は呆れたやうな顔をしましたが、それでも片方のベッドに枕を二つ重ね、それに寄り掛かるやうに足を投げ出して座りました。
浴衣の裾から手を入れて下着に指を掛けると、翼は俯きながらも腰を浮かしてちゃんと協力してくれる。脱がされたい訳じゃなくて、手を突つ込まれてゐるのが耐へられないらしい。

何故、先に下着だけ脱がせるのかと言ふと、布地の上から、どこまで触つても下着に触れないのが、裸体を感じさせて良いんですよね。手を当ててゐる所から、体温が伝はつてくるのが気持ち良い。
俺は剥く時は下からなんだけど、浴衣は上からでも良いよね。

最近、翼に新しい男ができまして、スマホのロック画面から待ち受けから、全部その男なんですよね。これがまた、ガタイの良い金髪碧眼の色男で、俺もけつこう好みだつたりするんですよね。

エルヴィン・スミスつて言ふんですけどね、
その人。

体格差だとか、さう云ふのが良いらしいので、上から覆ひ被さつたり、俺の体の上に乗つけたり、押し潰したりと、色々してやりました。
手足を絡めてベッドに押さえつけると、何とか逃げ出さうと俺の体の下でもがくのが、凄く可愛いと言ふか、凄く興奮した。

「布団を敷きに来ないつて事は、夕飯の事とか、聞きに来るかもな。」

こちらへ顔を向けさせて言ふと、翼の体が強張る。

「あんまり暴れると、寝室の襖、開けるかもしれないな。」

俺が真面目な顔でさう言ふと、翼が首を上げて、足元の襖を見た。
例へそんな事になつても、声くらゐ掛けるだろ、普通。でも、さうやつて怯へる顔が、堪らない。
不安げに俺を見上げ、いやいやと揺れる小さな頤を掴んで、俺は晒された細い首筋に歯を立てた。翼の息が荒くなる。

「可愛いよ。」

俺の唇の動きを最後まで見ずに、翼は目を閉じた。俺を押し返さうとする、弱々しい翼の手を胸元に感じながら、俺はゆつくりと翼の腿を膝で割り開いた。
  1. 彼との事


いいふうふの日。

11月23日は、“いいふうふ”の日ださうです。

愛車での最後の旅に、俺は翼との旅を選びました。この先、ずつと思ひ出すなら、ナビシートに座る人も選ばないとね。

可愛い人を。

またしても、寒い季節には寒い所でせう、と言ふ翼に押し切られ、東北の温泉へ行つて参りました。宿泊先は、大きな旅館と言ふか小さなホテルと言ふか、翼がネットで探してきたホテルです。
小さいながらも風呂が充実していて、大浴場と部屋風呂、ロビーを抜けて中庭に向かふ途中に足湯も有りました。一泊なんだから、そんなに風呂ばかり種類が有つてもと思ふんだけど、かう云ふのは選べるのが良いらしいです。

可愛いですね。

俺がチェックインの手続きをしてゐる間に、荷物を放り出して、さつさと足湯を使ひに行つちまひましたからね。まつたく。

可愛いんです。
大事な事なので、二度言ひました。

翼の温泉好きも有つて、最近、温泉に慣れてきました。以前は苦手な方だつたんですけどね。俺、汗つかきだし、何度も入ると、却つて疲れるやうな気がして。
温泉の泉質や温度にも因るのだと云ふ事も判りました。合はない物も有るらしいです。

今では、なみなみと湯を湛へた湯槽や、たつぷりとした掛け流しの湯を見ると、入るのが楽しみだと感じるやうになりました。
翼と二人旅なら、疲れたら寝ちやへばいいし、気楽なもんです。

湯槽の縁に頭を預けて、やはらかな湯に手足を投げ出すと、体の隅々に澱のやうに溜まつた日々の疲れが溶け出してゆくやうです。
温泉宿へゆくと、原泉で茹でた卵や温泉を利用した料理が供される事がありますけれど、温泉で洗つたり茹でたりすると、美味しくなる物があるんですね。色々と。

外からも中からも、しつかりと温まつて、滑らかな手触り、舌触りになるんですよ。
まあ、それは、食事の後の“お楽しみ”な訳なのですけれど。






  1. 彼との事


翼へ。

おまえに手紙を書く。
ここに、公の場に晒す訳だから、これは最早、私信ではない。
謂わば、俺の決意表明だな。

おまえと出逢って、初めて抱いてから8年。
俺がおまえだけだと、愛していると告げてから5年。
おまえが俺を受け入れてくれてから4年。

こう書くと、改めて長い時間が掛かっていると思う。いや、時間は関係無いか。
それでも、

「その内に飽きる。」
「あなたは一人には決められない人。」

これは時間が証明しただろ。俺はこの5年間、おまえ以外は抱いてない。キスすらしてない。

「僕のどこがいいの?」
「僕はあなたの好みではないでしょう?」

これも、もう判ったと思う。気を惹かれる相手、抱きたいと思うだけの相手と、添い遂げたいと思う相手は違う。
そりゃ、いつだって、おまえを抱きたいとは思ってるけどさ。

恋は狙って落ちる事は出来ない。理由も条件も、そんな物は後付けだ。おまえが唯一だと云う理由なんて、説明できるもんか。
独占欲なのかもしれない。確かに俺は欲深な男だと思う。

それでも、愛しているんだ。
俺にはおまえが必要なんだ。

いつまでも待つつもりだった。
でも、俺、もう五十だぜ。同期には孫がいる奴だっている。
おまえには判らないと思うけど…俺にも判らなかったからな…正直、焦ってる。
おまえと過ごす時間が少なくなる事を。

一緒に暮らそう、俺と。準備は出来てる。
そりゃ、不安が無いわけじゃない。

だから、おまえの答えが欲しい。
もちろん、良い方の答えだ。

愛している。





  1. 彼との事


ゆるやかに寄り添ふ影も月の客

心の繋がりは何よりも強いと言うけれど、目に見えない物を信じるにはどうしたらいい。

物理的に、目に見える形で、繋いでおきたい。
おまえを。ずっと。
  1. 彼との事


究極。

俺は梅干しが大好きです。
もともと、酸つぱい物と塩が好きだから、梅干しなんかもう、完全体だよね(何のだ。)

翼も梅干しが好きで、梅味のお菓子が出ると殆ど買つて試してゐるし、互ひに情報交換なんかもします。新商品を見つけると写メつて送り合つたり、別々のを買つて一個ずつ取り換へて食べたり。

普段、あんまり話が合はないから、共通の話題が嬉し過ぎて、書いてるだけで(*´ω`*)な感じなんだけど、それはちよつと置いておいて、そもそも、梅の味が好きなのは梅干しが好きだからであつて、そんなに梅干しが好きならば梅干しを持ち歩けば良いのではないかと言はれたりもするんだけど、実はそれもやつてます。車のダッシュボードには、常に“カリカリ梅”の袋が入つてる。

色々と試した中で、俺が一番「梅干し!」と思ふ物で、且つ、一番よく買ふ物が、これです。

“男梅”は飴やグミなんかも好きです。シリーズ全部好き。“梅ねり”は梅干しの酸味としよつぱさを、それだけ取り出した感じで、まさに「それだけの」お菓子です。

そして、翼が辿り着いた物がこちら。


お菓子…なのか。
  1. 彼との事

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