身の内に月を身籠るかぐや姫昇り詰めたる後くる夢想
夢を見てゐた。高熱は悪夢を引き寄せる。
だが、果たしてあれは悪夢だつたのか。
喉に掛かる指の感触、徐々に力が込められ、夜叉の様な顔は泣き顔になつた。
綺麗だと思った。
俺はあの時、自分で呼吸する事を止めた。
愛してゐるつて何だらうと思つた。
証明出来るものならばしてやりたいと思つた。
君の物になる事。
命を捧げる事。
でも俺は死ななかつた。
君も死ななかつた。
君は逃げ出したのだ。
俺を置いて。
あの時俺は夢から醒めた様な気持ちで“死”を思い返してゐた。
ちようど、今のやうな気持ちで。
死に損なつていつそう死が近くへ来た。
いつでも傍にゐる。
いつでも触れられる。
狂気だと言ふ人も居たけれど、何処かで繋がつてゐるんぢやないかと思ふ。
愛と死と狂気とは。
甘美な環を描いて。
だが、果たしてあれは悪夢だつたのか。
喉に掛かる指の感触、徐々に力が込められ、夜叉の様な顔は泣き顔になつた。
綺麗だと思った。
俺はあの時、自分で呼吸する事を止めた。
愛してゐるつて何だらうと思つた。
証明出来るものならばしてやりたいと思つた。
君の物になる事。
命を捧げる事。
でも俺は死ななかつた。
君も死ななかつた。
君は逃げ出したのだ。
俺を置いて。
あの時俺は夢から醒めた様な気持ちで“死”を思い返してゐた。
ちようど、今のやうな気持ちで。
死に損なつていつそう死が近くへ来た。
いつでも傍にゐる。
いつでも触れられる。
狂気だと言ふ人も居たけれど、何処かで繋がつてゐるんぢやないかと思ふ。
愛と死と狂気とは。
甘美な環を描いて。