水草系男子。
“草食系男子”と云ふ言葉が巷で言はれるやうになつて久しいですけれど、普段から地味でヘタレで大人しい俺なんぞは、その典型ではないでせうか。
処が俺がさう言ふと、A沢女史が即座に異を唱へた。
「ちよつと違ふのよねえ。さうねえ、草食系と言ふよりは…」
そこでA沢女史は顎に人指し指を当て、俺の顔を見つめた。
「草食系と言ふよりは、水草系かしら。」
「は?」
つまり、世の中の流れのなすがままになつてゐる姿が、川の流れに身を任せる水草のやうだからだそうです。
多少は日和見主義的な所が有るのは認めますけれど、そこまで酷くはないと思ふんだけど。
そこまでは。
「まあ、涼しげでいいよね、水草も。」
さう同僚が慰めともつかぬ言葉を掛けてくれましたけれど、内心はかなり複雑でした。
おやつに配られた薄皮饅頭のお尻を、同僚の分だけ指で押しておきました。
処が俺がさう言ふと、A沢女史が即座に異を唱へた。
「ちよつと違ふのよねえ。さうねえ、草食系と言ふよりは…」
そこでA沢女史は顎に人指し指を当て、俺の顔を見つめた。
「草食系と言ふよりは、水草系かしら。」
「は?」
つまり、世の中の流れのなすがままになつてゐる姿が、川の流れに身を任せる水草のやうだからだそうです。
多少は日和見主義的な所が有るのは認めますけれど、そこまで酷くはないと思ふんだけど。
そこまでは。
「まあ、涼しげでいいよね、水草も。」
さう同僚が慰めともつかぬ言葉を掛けてくれましたけれど、内心はかなり複雑でした。
おやつに配られた薄皮饅頭のお尻を、同僚の分だけ指で押しておきました。