帆を張るやうに胸を張れ

今日から九月。
残暑と言ふより真夏と言つた方がいいやうな陽気だ。

今日は“防災の日”と言ふ事で、“非常持ち出し袋”の中を覗いてみたりした。
買つた時のまま、ビニール袋から取り出してさへゐない物も有る。
中身は非常用の蝋燭や、寒さをしのぐアルミ蒸着シート、ロープ等が入つてゐるのだけれど、新たに、ハンドルを回して蓄電して使ふラジオとガムテープ、懐中電灯、それと油性のマジック等を入れてあります。

飲料水は長持ちする物を買つてあるんだけど、食料の方がいまいち心許ない。
俺が子供の頃は乾パンが定番だつたけれど、今は味も利便性も良い物がたくさん出てゐる。何日分備蓄して置けば良いのかも悩むんだよなあ。

デパートやスーパーのその手の売り場をウロウロしてみたけれど、却つて何を買へば良いのか判らなくなつてしまつた。
水を入れるだけで出来る餅なんかも有つたりして、餡子のレトルトパックを買へばお汁粉が食べられるなあとか思つたり。

災害はいつ来るか判らない。寒かつたり暑かつたり、真夜中だつたり飯時だつたり。
常に最悪の状況を想像してと言ふけれど、それだつて個人個人違ふだらう。

だからいつそ開き直つて、実際に起きてみないと判らないもんだと思つておけば良いんぢやないかと思ふ。

誰にも判らない。
誰のせいでもない。
みんな同じ。

だから１人ぢやない。

俺の心の備へ。