帆を張るやうに胸を張れ

初詣にいつて来ました。毎度お馴染み寒川神社。

今年は“天岩戸”でした。

いつもなら楽しいお出掛けなんだけど、今日はこの後、翼のご両親に新年のご挨拶にゆかなくてはならなくて、とても憂鬱でした。
それを知つてか知らずか、翼はお清めの柄杓に口を付けたオッサンがゐただの、昨年たこ焼を買つた屋台でまた買ひたいだのと楽しさうだ。

車だから酒は断るにしても、昼飯は食ふんだらうなあ。

有り難い事なんだけどね。
判つてるんだけど。

俺自身、心の何処かに、差別する気持ちが有るんだらうな。
ホモなんて、普通の人達に理解される訳無いつて。
俺も翼もゲイだけど、“普通の人達”である翼もご両親の前に出ると。どうしても構へてしまふ。
疑つてしまふ。

帰り際、翼のお母様が、俺の知らない手話で翼に話かけてゐた。
お母様の優しい笑顔や、翼のはにかんだ顔を、屈託なく見られる日は来るのだらうか。

君と見る富士真白にてはや四日