いらつしやいませ、こんにちは♪
コンビニには、毎日、様々な客が訪れる。
たまには虫の居所が悪いのか、店員に八つ当たりのやうな事をする客もゐたりする。
先日も、入口から既に苛々してゐる客がゐて、ぶつぶつと呟きながら店内をうろついてゐた。
そしてその客は、カゴを持つてレジへとやつて来た。
カウンターに乱暴にカゴを置くと、バイトの女の子が笑顔でその客を迎へた。
「いらつしやいませ。お客様、Tポイントカードはお持ちですか?」
客は横柄な態度で言つた。
「そんなもん、持つてねえよ。それより早く…」
しろよ、と朋也には聞こえたさうだ。
女の子は20数点の商品をとつくにスキャンし終へ、袋に入れて笑顔で客に告げた。
「○○円になります。」
客は一瞬固まつたが、直ぐに立ち直り、女の子が纏めた袋の持ち手をふてぶてしい態度で解いてしまつた。
「箸は?ヨーグルトだつてスプーン無しぢや…」
女の子の愛らしい声が響いた。
「お箸を2膳と、スプーンを3つお付けいたしました。」
客は袋を掻き回しながら言つた。
「箸は二本だぞ!?弁当を二個買つ…」
「はい。お入れしました。」
箸を探し当てたのだらう、客はまた固まつた。
女の子は笑顔で言つた。
「○○円でございます。」
客は歯軋りしさうな勢ひで財布から札を出すとカウンターに叩き付けた。
「ほら!」
「お客様、恐れ入ります。お後、○○円でございます。」
客は小銭入れを開け、カウンターの上に小銭をぶちまけた。
「こ、此処からとれ!」
女の子はカウンターの上の小銭に目を走らせると、失礼しますと言ふが早いか必要な分を指先で選り出した。
「ちやうど頂戴いたします。此方、お品物でございます。」
女の子は、ありがたうございましたと客に一礼すると、笑顔で隣のレジを開けた。
「大変お待たせいたしました。此方のレジへどうぞ♪」
並んでゐた客が、件の客を睨み付けたり、薄ら笑ひで見やりながら隣のレジへ移動してゆく。
客は急に勢ひが無くなり、背中を丸めて小銭を掻き集めた。
ああ云ふ態度をとる客が、俺は不思議でしやうがない。
ああ云ふ人を見ると、なんだかとても寂しい気持ちになる。
たまには虫の居所が悪いのか、店員に八つ当たりのやうな事をする客もゐたりする。
先日も、入口から既に苛々してゐる客がゐて、ぶつぶつと呟きながら店内をうろついてゐた。
そしてその客は、カゴを持つてレジへとやつて来た。
カウンターに乱暴にカゴを置くと、バイトの女の子が笑顔でその客を迎へた。
「いらつしやいませ。お客様、Tポイントカードはお持ちですか?」
客は横柄な態度で言つた。
「そんなもん、持つてねえよ。それより早く…」
しろよ、と朋也には聞こえたさうだ。
女の子は20数点の商品をとつくにスキャンし終へ、袋に入れて笑顔で客に告げた。
「○○円になります。」
客は一瞬固まつたが、直ぐに立ち直り、女の子が纏めた袋の持ち手をふてぶてしい態度で解いてしまつた。
「箸は?ヨーグルトだつてスプーン無しぢや…」
女の子の愛らしい声が響いた。
「お箸を2膳と、スプーンを3つお付けいたしました。」
客は袋を掻き回しながら言つた。
「箸は二本だぞ!?弁当を二個買つ…」
「はい。お入れしました。」
箸を探し当てたのだらう、客はまた固まつた。
女の子は笑顔で言つた。
「○○円でございます。」
客は歯軋りしさうな勢ひで財布から札を出すとカウンターに叩き付けた。
「ほら!」
「お客様、恐れ入ります。お後、○○円でございます。」
客は小銭入れを開け、カウンターの上に小銭をぶちまけた。
「こ、此処からとれ!」
女の子はカウンターの上の小銭に目を走らせると、失礼しますと言ふが早いか必要な分を指先で選り出した。
「ちやうど頂戴いたします。此方、お品物でございます。」
女の子は、ありがたうございましたと客に一礼すると、笑顔で隣のレジを開けた。
「大変お待たせいたしました。此方のレジへどうぞ♪」
並んでゐた客が、件の客を睨み付けたり、薄ら笑ひで見やりながら隣のレジへ移動してゆく。
客は急に勢ひが無くなり、背中を丸めて小銭を掻き集めた。
ああ云ふ態度をとる客が、俺は不思議でしやうがない。
ああ云ふ人を見ると、なんだかとても寂しい気持ちになる。