思秋期。
中学の同窓生が亡くなつた。自殺だつたらしい。
報せてくれた友達は、亡くなつた人と同じ部活で、高校生の頃までは付き合ひが有つたと言ふ。
俺達が子供の頃は、今からは想像できないくらゐ子供がたくさんゐて、一学年、12クラス有つた時も有つたから、同じクラスにならないまま卒業した人もけつこうゐた。
亡くなつた人も、たぶんそんな感じで、名前を言はれても顔を思ひ出せなかつた。
理由は判らないさうだ。
家族はもちろん、友達も会社の人も思ひ当たる事は無く、遺書は奥さんに宛てた物が一通有つただけで、内容も、子供達を頼むと一言だけ。
人知れず悩んでゐたのか、それとも…
「色々有るもんな。俺達の世代はさ。」
今度飲まうぜと言つて、友達からの電話は切れた。
「色々有るもんな。」
呟いてみても、死んだ奴の気持ちは判らなかつた。
報せてくれた友達は、亡くなつた人と同じ部活で、高校生の頃までは付き合ひが有つたと言ふ。
俺達が子供の頃は、今からは想像できないくらゐ子供がたくさんゐて、一学年、12クラス有つた時も有つたから、同じクラスにならないまま卒業した人もけつこうゐた。
亡くなつた人も、たぶんそんな感じで、名前を言はれても顔を思ひ出せなかつた。
理由は判らないさうだ。
家族はもちろん、友達も会社の人も思ひ当たる事は無く、遺書は奥さんに宛てた物が一通有つただけで、内容も、子供達を頼むと一言だけ。
人知れず悩んでゐたのか、それとも…
「色々有るもんな。俺達の世代はさ。」
今度飲まうぜと言つて、友達からの電話は切れた。
「色々有るもんな。」
呟いてみても、死んだ奴の気持ちは判らなかつた。