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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog


援交。

今から10年くらゐ前に、渋谷の駅前で女子高生に声を掛けられた事が有ります。

「をぢさん、何してんの?今帰り?」
「あたしらとカラオケ行かない?声掛ければ他にもいつぱい女の子来るよ。」

人を待つてゐるからと断ると、それならお茶だけでも、それも無理なら自販機で飲み物を買つてだべらうと言ふ。

「お金が欲しいの?」

さう言ふと驚いた事に彼女達は怒る処か満面の笑みを浮かべた。

「をぢさんもイイコト有るかもよー。」

さうかうしてゐる内に待ち合はせをしてゐた同僚が到着した。処が俺と同僚が歩き出すと、彼女達は後ろからついて来たのだ。

「何?」

同僚の迷惑さうな声に彼女達は戸惑ふやうな表情になる。

「なんで俺達がガキのスカート捲るのに金を払はなきやなんないんだよ。」

同僚が言ふと、彼女達は口々に、とてもその年頃の少女とは思へないやうな悪態をつきながら、駅の方へ去つて行つた。
一人の女の子なんか、ご丁寧に足元に転がつてゐた空き缶を此方へ思ひ切り蹴り飛ばしてきたりした。

彼女達は今どうしてゐるのだらう。結婚して子供の一人も産んでゐるのだらうか。

朝のホームで、コートの裾から伸びる寒々しい細い足を見てゐたらそんな事を思ひ出した。





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