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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog


笑むたびに揺れるか細きうなじには砂金の如き産毛のありぬ

買い物から戻つてみたら、彼がベッドで泣いてゐた。俺が帰つたと思つたらしい。

ちやんとメモを残して行つたのに。

ノートを寄越せと言ふから、テーブルの上のノートとペンを渡すと投げつけられた。俺に当たつて落ちたノートを拾つてもう一度彼に渡す。

会話は殆ど筆談。後は彼が俺の唇を読むのと、彼が俺の手のひらに書く文字。
最初は擽つたくて参つたけど、もう慣れた。

彼が差し出すノートと交換に買い物袋を渡す。
ノートには人が寝てゐる間に出掛けるなんて最低だと書かれてゐた。ゴメンと書いて渡すと、買い物袋の中身を見てゐた彼は、更に、最低と書き足した。

買い物袋の中身は煙草と缶コーヒー。ベビーオイルとコンドームとアイスクリーム。

必需品です。


  1. 彼との事

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