帆を張るやうに胸を張れ

全く、伊豆大島の台風の被害は目を覆ふばかりだ。
都内もあちらこちら水没したけれど、その規模たるや、比べるのも
憚られる。
船で避難するお年寄りを見てゐたら、三原山の噴火を思ひ出した。

日本は火山国だ。
火山が連なる山脈の低い所が海に沈んで、残つた部分が日本列島。
桜島のやうに現役の火山も有るし、地下のマグマの活動は温泉と云ふ形で、その存在を示してゐる。

それはよく判つてゐるけれど、三原山が噴火した時はとても驚いた。
あまつさへ富士山の火口から煙が上がつた時は、ＣＧかと思つたくらゐだ。

富士山が噴火したら、関東一円は被害を免れないだらうなあ。

今年は台風の当たり年になつた。４月の発生から、あつと言ふ間に２９号を数へた。
それでも、来年、再来年とこの数を超へれば、“当たり年”と言はなくなるかもしれない。

さう言へば、いつの間にか“異常気象”と云ふ言葉を聞かなくなつた。
気象にせよ、気温にせよ、“異常”が続けば、それは“通常”になつてしまふのかもしれない。
竜巻も少し前までは、日本では珍しいと言はれてゐた。

これからは“異常な通常”に対する対策や心構へが必要になるなあ。