縁側。
二十年前の話。
実家の縁側に腰掛けて月を見てゐると、姪が自分の部屋からぬいぐるみを持つて来て俺の隣に座らせた。
静かに遊んでゐるので好きにさせてゐると、姪は縁側と自分の部屋を何度か往復し、気がつけば俺の両脇には、ぬいぐるみがズラリ。
「おーちやんが寂しくないやうに。」
俺が実家を出て、一人暮らしを始める時も、君は俺が寂しくないやうにと、君の大好きなトトロを持たせてくれたつけ。
そんな姪も今年の秋にはお嫁さんになる。
真つ直ぐに伸びた黒髪のやうに、真つ直ぐで優しい君よ。
幸せにおなり。
実家の縁側に腰掛けて月を見てゐると、姪が自分の部屋からぬいぐるみを持つて来て俺の隣に座らせた。
静かに遊んでゐるので好きにさせてゐると、姪は縁側と自分の部屋を何度か往復し、気がつけば俺の両脇には、ぬいぐるみがズラリ。
「おーちやんが寂しくないやうに。」
俺が実家を出て、一人暮らしを始める時も、君は俺が寂しくないやうにと、君の大好きなトトロを持たせてくれたつけ。
そんな姪も今年の秋にはお嫁さんになる。
真つ直ぐに伸びた黒髪のやうに、真つ直ぐで優しい君よ。
幸せにおなり。