帆を張るやうに胸を張れ

何が平和で、普通で、日常だつたのかが思ひ出せなくなつてしまつて、３月１１日以前のブログを読んでみた。

ろくな事してねえな。俺。

昨夜、多賀城から友達の息子が来た。
本当なら先週には此方へ来る筈だつたのが、あの地震で大幅に予定がズレてしまつた。

親戚のトラックで県外へ出てそこで一泊。それから電車で東京まで。
前に遊びに来た時より、ずいぶん大変だつたやうだ。時間もルートも精神的にも。

家族を被災地に置いて出て来るのはずいぶん辛かつただらう。
迷つただらう。

ついこの間まで高校生だつたんだもんな。

ともすれば泣きさうになる彼に、地元を離れる決心をして、此方の大学を受験した時から、既に君は自分の力でチャンスを掴んでゐたんだと話した。
そしてそのチャンスを潰す事は、親にとつて死ぬよりも辛い事なのだと云ふ事も。

入学式に着るスーツを買つてから彼は啓太と東京見物にゆくさうな。
オッサンは金だけ出してお留守番です。