多賀城から来た友達の息子の朋也くん。
家事をするオッサンが珍しいらしく、手伝ひがてらよく台所にゐる。
さつきも食器洗ひ用の洗剤を薄めてゐる所をまじまじと見てゐた。
「どうして結婚しないんですか?彼女とかつてゐないんですか?」
彼氏ならいるけどな。
「おぢさん、モテないからねえ。」
「ふうん。」
「朋也は彼女ゐるのか?」
「彼女つふか…」
朋也はコップを拭く手を止めて首を傾げた。
どうやら気になる娘がゐるらしい。
「たまには連絡してやれよ。彼女ゐない人に言はれたくないだらうけどさ。」
俺がさう言ふと、朋也は擽つたさうに笑つて頷いた。
ずつとさうして笑つてゐて欲しい。
ふいに涙が溢れさうになつて、俺はトイレに駆け込んだ。
神様、と呟いてみた。
さつきも食器洗ひ用の洗剤を薄めてゐる所をまじまじと見てゐた。
「どうして結婚しないんですか?彼女とかつてゐないんですか?」
彼氏ならいるけどな。
「おぢさん、モテないからねえ。」
「ふうん。」
「朋也は彼女ゐるのか?」
「彼女つふか…」
朋也はコップを拭く手を止めて首を傾げた。
どうやら気になる娘がゐるらしい。
「たまには連絡してやれよ。彼女ゐない人に言はれたくないだらうけどさ。」
俺がさう言ふと、朋也は擽つたさうに笑つて頷いた。
ずつとさうして笑つてゐて欲しい。
ふいに涙が溢れさうになつて、俺はトイレに駆け込んだ。
神様、と呟いてみた。