母よ。
故郷が心配でならない朋也は、不便を承知で多賀城へ帰りました。
ゴールデンウィーク中に朋也を実家へ連れて来るやうに言つてゐたママンからのメールには、朋也の名前ばかり延々と書き連ねてありました。
これまでもママンは、朋也に服を買つてやりたいの、飯を食はせてやりたいのと言つてゐたのですが、朋也と俺の予定が合はずに未だ実現してゐないのです。
「それなら朋也さんだけでも、此方へ寄越しなさいな。」
ママンは言ひました。
ママン、あなたの息子は誰ですか。
俺の休みは29日からなんですけど、帰つて来いと言はれないので帰りません。
帰りませんつて言つたら帰りませんからね!
ゴールデンウィーク中に朋也を実家へ連れて来るやうに言つてゐたママンからのメールには、朋也の名前ばかり延々と書き連ねてありました。
これまでもママンは、朋也に服を買つてやりたいの、飯を食はせてやりたいのと言つてゐたのですが、朋也と俺の予定が合はずに未だ実現してゐないのです。
「それなら朋也さんだけでも、此方へ寄越しなさいな。」
ママンは言ひました。
ママン、あなたの息子は誰ですか。
俺の休みは29日からなんですけど、帰つて来いと言はれないので帰りません。
帰りませんつて言つたら帰りませんからね!