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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog


恋の一時間は孤独の千年。

“麗美”と言ふ歌手の歌だと思つてゐたら、後から松任谷由実の歌だと云ふ事が判つて、少女のやうな可憐な声と、大人の女性の抑へた艶とを両方楽しむ事が出来た。

恋はこれと思つた人と時に狙つて落ちる事は出来ない。
条件を付ける事も出来ないし、何度経験しても慣れる事もない。

だからこの歳になつてもジタバタしてゐる。
舞ひ上がつては奈落の底へ突き落とされる。

年を経る毎に素直になるのが難しくなる。
それまでに見てきた、たくさんの“結末”が判断を鈍らせる。

思ひ遣りは自分の弱さを誤魔化す為の卑怯な言ひ訳になる。

恋をする気持ちは同じなのに。

想ふ辛さは同じなのに。

「大切な荷物もみんな、捨てて腕の中へ。」

それをおまへに望むと云ふ事は俺も動かなくてはならないと云ふ事。

踏み出す勇気の無い者には何も与へられない。


  1. 彼との事
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