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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog


夜宴。

細いうなじに掛かる銀色の鎖を唇で啄めば、シャツの胸元に小さな十字架。

「キリスト教でホモつて駄目なんぢやねえのか?」

「ぢやあ、しないの?」

振り返り様に唇を奪はれる。

「ここはソドムの町?」

皮肉に笑ふ君に丁寧に口付けを返して、これ以上ご機嫌を損ねないやうに腰に手を回した。

下腹部を密着させるやうに君を抱き寄せて、強く抱き締める。薄いシャツを通して感じる十字架の硬い感触と、君の鼓動。タブーを冒す背徳感がいつそう俺を昂らせる。

跪いて半ば勃ち上がつたペニスの先端を舐め上げ、嚢を手のひらで包み込むと、もつとと言ふやうに君の指が髪をまさぐる。足を開かせて尻の割れ目を探ると、君の唇から小さく喘ぎが零れた。
会陰まで舌を這はせて内腿を撫で回す。感じ易い肌に鳥肌が立ち、膝頭が震える。
俺は君の中の“神”に挑戦するやうに、愛撫する手に力を込めた。

何も産み出さず、何も残せない俺達の営み。
神の祝福を得られない背教徒の宴。

それでも俺達には必要だつた。

総てに背いても。


  1. 性欲
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