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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog


花は企む。

傘で手を濡らしてしまつてハンカチを出そうとしてゐたら、

「その辺に触らないで、濡れるから。」

と、A沢がハンカチを差し出した。

「いい。有るから。」

と、押し戻す手にハンカチを握らされ、ほぼ反射的に顔の前に持つていつたら、ふはりと金木犀の香りがした。

ごく細い黒のラインに縁取りされた、アイスピンクのハンカチ。

何が仕込んで有るんだらうか。


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