帆を張るやうに胸を張れ

朝は普段通り出社したんだけど、昼飯を食ふ辺りから雨風が強くなり始めた。
営業で外へ出て行つた連中もずぶ濡れで仕事にならないのと客先からのキャンセルの電話が相次いだ為、２時から３時頃に掛けて報告順に直帰命令が出た。
内勤の者も女子社員を中心に、仕事の始末をして順次帰宅。

３・１１の教訓は生きてゐて、殆どの社員がスムーズに帰宅出来た。

俺以外はな。

報告するべき上司が、その上司と話をしてゐてなかなか終はらず、その間に別の仕事に手を付けたら終はらず、冗談で、今夜は会社で一泊だなあとか言つてたら電車が止まつたorz。

いや、自分で居残りを選択したんだけどね。
風も相当酷かつたし、ずぶ濡れになつてまで帰りたくなかつたしね。負け惜しみではありませんよ、ええ。

非常食の備蓄はどうだ、我が社の危機管理はどうだとはしやぐ常務のお守りもしなくちやならないしね。

社長も専務も他の常務もとつくに帰つたつつふのに、なんであんただけ帰らないんだ。
夕方、姿が見えなくなつたと思つて探したら、隣の部署で、窓から外を見ながら叫んでゐました。

「おお、台風がそこまで来たぞ！ほら、そこに！」

見えるのかよ、台風！

さうTwitterで吼えてゐたら、ハムおやぢさんが“風の又三郎”つて言つて下さつて少し和んだんだけど、“風の又三郎”つて妖怪ですよね。

そうか、奴は妖怪だつたのか。
それぢやあ俺達に理解出来なくつても、仕方ないよなあ。