帆を張るやうに胸を張れ

なんとなく朝から怠くてデスクで頬杖をついてゐたら、得意先から電話が入つた。
たいした用事ぢやあなかつたんだけど、これを幸ひとばかりに外へ出ました。
珈琲を買ひに。

今日は全員定時で上がつて新年会。そのままそこら辺で時間を潰して会場へ来る人、一度帰つてドレスアップしてくる女の子もゐる。
Ａ沢女史の今日の装ひはシックなワンピース。黒の天鵞絨で、胸の下に切り替えが有つて薄紫色のリボンが付いてゐる。ストンとした形の短めのスカート丈が綺麗な脚を引き立ててゐた。
代はる代はるやつてきては新年の挨拶をする上司も同僚も、みんなＡ沢の顔⇒脚⇒顔⇒脚と見てゐた。

真つ直ぐで適度に肉付きが良くて、尚且つ膝の上に肉が付いてゐなくて、関節が締まつてゐるＡ沢の脚を見てゐてつくづく思つたんだけど、俺は黒のタイツとハイヒールつて云ふ組み合はせが凄く好きらしい。
網タイツや透けるのも好きなんだけど、黒のタイツいいよね、黒のタイツ。

今年も一年、俺はＡ沢にいたぶられる事決定なんだけど、毎日間近でこの脚を拝めるんだもの。

頑張れるよな、俺。