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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog


あの子。

先日の記事に書いた子とまたバス停で有つた。
男の子と書いたけれど、もう“子”と云ふ歳でもないだらう。

俺の数人前に並んでゐた彼は、バスに乗る時に俺に気付いたらしく、何度か此方を見た。
それでも声を掛けてくる訳ではないから、俺は知らん顔をしてゐる事にした。

時として“恩人”つつふもんは、面倒臭いものだつたりする。特に俺の場合、携帯を貸しただけの誠に中途半端な“恩人”である。

何度目かに彼が此方を見た時、俺も彼の方を見た。

ああ、やつぱり。

彼の顔にはさう書いてあつた。
ふんはりと目を細めて会釈する彼は、とても可愛かつた。


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