2ntブログ

帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog


柔らかな唇が、何度も触れては離れる。
目を開けると、悪戯つぽい笑ひを含んだ瞳が俺を見下ろしてゐる。

俺が目を閉じると翼の香りが近付いて、また唇が触れた。さうしながらシャツの上から俺の乳首を摘まむ。擽つたさに身を捩ると、翼は可笑しさうに笑つて更に指で挟んで転がしてくる。
唐突にチュッと吸はれて思はず顔を顰めると、今度はたつぷりと唾液を含ませて吸ひ付いてきた。

いつも自分がしてゐる事をやられてゐる訳なのだけれど、なんとも不思議なやうな、ゐたたまれないやうな感じがする。
そんな思ひが顔に表れるのか、翼はますます楽しさうに俺の身体をまさぐり始めた。

元はと言へば翼が俺に対して狡いと言つた事が始まりだつた。俺がいつも翼の身体を好き勝手にするのが狡いと。それならばと、俺がベッドに横たはると、翼は勇んで俺の上に乗つかつてきた。

翼の指が俺のシャツの釦を外してゆく。下まで外してそれを左右に開くと、自分の着ていたTシャツをすらりと脱ぎ捨てた。俺の顎の下の顔を押し込むやうにして抱き付いてくる。
それから身体を起こして、あちこち抓つたり撫でたり、散々遊んでから、翼は俺のベルトに手を掛けた。

「そこまでするか。」

翼は当然だと言ふやうに頷いた。

「ちやんと最後まで責任持てよ。」

翼は自分の胸をひとつ叩いてまた頷く。

俺が目を閉じると同時にジーンズの前が楽になり、甘く濡れた感触がペニスを包み込んだ。

10数へたら逆転してやらう。

薄目を開けて翼の卑猥な動きを盗み見ながら、俺は静かにカウントを始めた。


  1. 彼との事

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