昨年の今頃は。
俺達つて何だらう。
昨年の今頃、俺は悩んでゐた。
翼とのこれからを。
知り合つて直ぐに深い仲となり、一年に一度だけの逢瀬を重ねる事四回。
それでもいいと思つてゐた。
そんな気持ちが大きく傾いたのが昨年の秋。
ある人の言葉をきつかけに、翼に対して堪へ難ひ程の大きな執着が生まれた。
いや、執着心は前からだつたのかもしれない。俺は自分の本心から目を背けてゐただけなのかも。
カードを書きながら、俺は何度も何度も自分に問ふた。これで終はりになるかもしれないとも考えた。それでも俺は翼に伝へたかつた。
俺のものにしたいと。
年が明けて届いた翼からの返事はかうだつた。
こんなに離れてゐて、さう云ふ関係でゐられるとは思へない。
僕にそれを望まないで。
終はつたと思つた。
辛いとか切ないとかではなく、ただ終はつたのだと。
それからの毎日、翼を諦める事だけを考えて過ごす俺に、翼からのメールが届いた。
「会ひに行つてもいいですか?」
さうして今に至る訳だけれど、恋人同士になつても遠距離である事に違ひは無いし、会へない事はやつぱり辛い。俺にとつても翼にとつても、それが正しい選択だつたのかどうか判らない。
ただ、諦めきれなかつた想ひが二人を繋いだだけなのだ。
昨年の今頃、俺は悩んでゐた。
翼とのこれからを。
知り合つて直ぐに深い仲となり、一年に一度だけの逢瀬を重ねる事四回。
それでもいいと思つてゐた。
そんな気持ちが大きく傾いたのが昨年の秋。
ある人の言葉をきつかけに、翼に対して堪へ難ひ程の大きな執着が生まれた。
いや、執着心は前からだつたのかもしれない。俺は自分の本心から目を背けてゐただけなのかも。
カードを書きながら、俺は何度も何度も自分に問ふた。これで終はりになるかもしれないとも考えた。それでも俺は翼に伝へたかつた。
俺のものにしたいと。
年が明けて届いた翼からの返事はかうだつた。
こんなに離れてゐて、さう云ふ関係でゐられるとは思へない。
僕にそれを望まないで。
終はつたと思つた。
辛いとか切ないとかではなく、ただ終はつたのだと。
それからの毎日、翼を諦める事だけを考えて過ごす俺に、翼からのメールが届いた。
「会ひに行つてもいいですか?」
さうして今に至る訳だけれど、恋人同士になつても遠距離である事に違ひは無いし、会へない事はやつぱり辛い。俺にとつても翼にとつても、それが正しい選択だつたのかどうか判らない。
ただ、諦めきれなかつた想ひが二人を繋いだだけなのだ。