帆を張るやうに胸を張れ

機種変しました。
少し前からスマホの調子が良くないと言ふか、反応が異常に遅くなつてしまつたのです。
バッテリーも大丈夫だし、誤作動が有る訳ぢやないんだけど、メールを開くにも、電話をかけるにも、たつぷり１０秒はかかると云ふ、奇声を上げてスマホを投げ捨ててしまひさうな状態になつたので、諦めて機種変に行つてきたのさ。

ショップで話したら、スマホの保険に入つてゐるから５０００円くらゐで交換出来ますよつて言はれたんだけど、俺がスマホを出して見せたら、それまで愛想の良かつたショップのお兄さんの顔が曇つた。

「これは…」

翼が、ほらねと言ふやうに肩を竦める。

「だよね。いいよ、機種変します。」

俺が言ふと、お兄さんはホッとしたやうに、カタログをごそごそしだした。

だいたい、このスマホを買つた時に言はれてたんだよな。次は無いからねつて。

ところで、担当してくれたこのお兄さんが、とても良かつたのです。
好みだとかぢやなくつて、接客がとても上手かつた。説明も判り易かつたし、客との距離の取り方が絶妙。まさに付かず離れずで、ゐて欲しい時には飛んできてくれるけど、見てゐる時や考へてゐる時は、気配を消してゐる感じ。

おかげで、自分がスマホに何を求めてゐるのかがよく判つて、満足のゆく物が選べました。

今回もまた、iPhoneぢやないぜ。
翼はスゲー不満さうだつたけど。

「これ、(画面小さいし、テンキー付いてるけど、)スマホなんだぜ。」( by 翼 )

から、

「このタブレット、電話がかけられるんだぜ。」( by 翼 )

になりました。とても快適です。