1/3の俺。
顔を見合せて、あ、と声を上げたその顔も、多分、そつくりだつたであらう。
今日、俺にそつくりな男に会つた。
取引先の担当が変はる事になり、現担当と一緒に来社したのだけれど、新担当のその男、なんと俺にそつくり。
現担当が俺の反応に、してやつたりと云ふ顔をしやがつたけど、まさに、してやられた。
正確に言へば、俺より歳も若く、茶髪に眼鏡をかけてゐる。
でも、背格好といい、スーツの趣味といい、余裕が有りさうでゐて、その実、小心者さうな、毎日鏡で見てゐる俺そのもの。
世の中には自分に似た人間が3人ゐると言ふけれど、その1人なのかも知れない。
型通りの名刺交換をして顔を上げたら、彼も顔を上げて目が合つた。
「苗字が同じだつたら、どうしやうかと思つた。」
俺がさう言ふと、彼は控え目に笑つて、
「これから、宜しくお願ひします。」
と言つた。
俺は思つたより、ナルシストらしい。
今日、俺にそつくりな男に会つた。
取引先の担当が変はる事になり、現担当と一緒に来社したのだけれど、新担当のその男、なんと俺にそつくり。
現担当が俺の反応に、してやつたりと云ふ顔をしやがつたけど、まさに、してやられた。
正確に言へば、俺より歳も若く、茶髪に眼鏡をかけてゐる。
でも、背格好といい、スーツの趣味といい、余裕が有りさうでゐて、その実、小心者さうな、毎日鏡で見てゐる俺そのもの。
世の中には自分に似た人間が3人ゐると言ふけれど、その1人なのかも知れない。
型通りの名刺交換をして顔を上げたら、彼も顔を上げて目が合つた。
「苗字が同じだつたら、どうしやうかと思つた。」
俺がさう言ふと、彼は控え目に笑つて、
「これから、宜しくお願ひします。」
と言つた。
俺は思つたより、ナルシストらしい。